日本ファルコム製作の“英雄伝説 黎の軌跡ⅡーCRIMSON SiNー”をクリア。PS4版。軌跡シリーズ12作目の最新作。
軌跡シリーズは那由多以外プレイ済。過去シリーズの感想は以下から。
閃3 閃4 創 黎
酷評なので本作が大好きという人は以下見ない方が良い。ネタバレ配慮なし。
はは、ネタバレするほどの内容もないっつーか・・・
プレイ時間:45時間
難易度ノーマル、4spg全回収、クリア後の要素まで一応プレイした。
ハイスピードモードの復活により高速プレイが可能。ほぼ常にONにしていた。
評価:クソゲー
システム面は前作からよりブラッシュアップされている。特にハイスピードモードの復活は素晴らしい。
問題はシナリオで、軌跡シリーズ中でもぶっちぎりでクソ。ナンバリングとして出すのどうなのレベル。“黎の軌跡 1.2”くらい。方向性として3rdや創のようなFDに近いが、FDとして見てもお祭り感が薄いし、ストーリーが厳しい・・・
シナリオ以外にもゲームバランス・4spg・コネクトイベント・アクティビティなど、ゲームシステム以外のところでは前作より劣化している点も多いと感じた。
◇ストーリー
紅黎い魔装鬼、グレンデル=ゾルガが首都を騒がせる、その目的と正体とは!
◇システム面は順当に進化
単調だったフィールドバトルにクイックアーツ、クロスチャージと新要素が追加(それでも別に面白くはないが)、ターンの表記も見やすくなり、ロードも前作と比べるとかなり良くなっていると感じた。ハイスピードモードも復活し、システム面に関しては前作の完全上位互換といえる。
◆一部気合の入った動きも
ダンスシーンやシズナVSカシムのバトルシーンなど、技術が進歩していると思えるところも見られる。
◆ミニゲームは復活したが・・・
ハッキングはそんなに嫌いじゃなかったけど・・・カードゲームはマジでただの糞運ゲーって感じ。バスケットボールに関しては、これやって面白いと思う人いるのかな?1回やったら真顔になるだろこんなの。
◆コネクトイベントや4spgの量は明らかに減っている印象
多いから良い、というものでもないが・・・
◆戦闘バランスは悪い
前作の時点でかなりアーツゲーだったのだが、今作で登場した複合属性アーツがあまりにも強すぎる。特にカタラクトゲインを発動させているとEP消費をほぼ気にせずに撃てるので、前作以上にアーツゲー。複合属性最上位の “ケートゥスファンタズマ” は全範囲・能力ダウン・強化打ち消しとあまりにも強く、これ連打するだけのゲームになっていた。
敵の強さに関しては、ボスがSクラフトを撃ってくる頻度がかなり上がっている印象を受けた。
◆水増し要素でしかないメルヒェンガルテン
“創の軌跡” のように好きなPTを編成して遊べるシステムとして導入されているが、前作では進行することによってキャラクターのサブストーリーを見れるといった要素があったものの、今作はただのファーム場としてしか機能していない。
一応クリア後に最後までクリアすると少しだけストーリーがあるのだが、かなり強引に付け加えられたようなストーリー(あってもなくても良い)なので、ほとんどただの水増し要素にしかなっていない。
◇過去最低のシナリオ
極限まで薄めたカルピス、かつストーリーも何に焦点を合わせているのか良くわからない、全てただの尺伸ばしとしか思えない。というかカルピスですらないかも。薄めたカルピスかと思ったら、薄めたピルクルとかアンバサだった。そんな感じのストーリーだ。
◆2章までは個人的には楽しめていた
2ルートに派生してストーリーが展開していく形で、登場キャラを比較的絞っているのでキャラゲーとして自分は楽しめていた。
それでもゲネシス1つを更に分割して回収していくのはちょっと・・・
◆断章からの引き伸ばし展開が凄すぎる
断章の癖に長い。とりあえず各勢力と延々と茶番で戦わせるのもうやめてくれませんかね・・・
そしてアクティビティがあまりにも虚無。ドライブとか凄いぞこれ。
◆3章は本当に凄い
いつまで身内と戦ってんだよ。ゲネシスを1つ回収した時点で、これあと1つになるまで延々と身内と戦って、最後の1つはボスからだな・・・という展開が予想出来てしまう。
死が雑すぎて笑っちゃいますよ。
ガーデンマスターの正体も本当にどうでも良い。オーギュストだったのですね・・・とか言われても、え、誰?ってなったのだが。別にポッと出のガーデンマスター=オーギュストとやらがボスでもいいのだけど、それなら具体的にどういう思想を持っていてどんな風に仲間となって、最後はどう決別したかまで、共和国建国の過去話についてもう少し掘り下げて欲しかったのだが。
◆緊張感が無さすぎる
あまりにも呆気なく失敗して特に言及無くノーリスクっぽくタイムリープするから全然重みを感じない。
何か違和感を感じるが・・・まあいいだろ→死亡!が多過ぎる。搦手が得意らしいけどヴァンさんてそういうキャラなんすかね?モグラ叩きしてるだけにしか思えない。
プレイヤー側からしたらどうせ戻るんっしょ?ってことが明白なので、イベントが起きてもマジで何も感じなくなってる。その癖アニエスはやたらと顔面蒼白になる、この温度差が凄すぎる。
◆結局何がしたかったのかよくわからんストーリー
最終章はようやく魔装鬼 VS 魔装鬼なのだが、グレンデルとかメアについての謎についてはまったくノータッチ、別に敵がディンゴである必要性を微塵も感じなかったし、これを最後の主軸に持ってきた意味とは。今回の事件は完全にイレギュラーと言って終了。いいのかそれで・・・
似たようなシステムで作っていた “3rd” はケビンに、“創” は色々やってたけど個人的にはルーファスにフォーカスした物語としてきちんと作っていたように感じたが、本作は何がやりたかったのか・・・
8つ目のゲネシスは罪を観測する存在だよってのは十分にわかったけど、それってただの事実であって、今後活かされることもなさそう(多分今作のラスボス出すためだけの設定)だし、このシリーズはキャラの成長・関係性に重心を置いていたと思うのだが。
◇語録はいつも通り
軌跡構文だが軌跡節だかはいつも通り。
文章で普段自分が使わない言い回しとか書くのって結構難しい気がするのだけど、ファルコムの社内会議って割とこんな感じで喋ったりするんですかね?だとしたら楽しそう。
こうして皆で集まるのは7日ぶりかーお疲れ様だ。
会議を始めるがいいー!(偉い人)
みたいな。
◇キャラ評
ゲームの方に内容が無さすぎたので一部のみ。
◆3と9
なーちゃんのキャラがジャンクというか強いので他の事務所勢が完全に喰われている
◆不動のジン
この人だけ二つ名まで会話中に名前で表示されるの面白すぎるんだよな。
◆ヴァルター
ジンさんの株が下がっていく一方で株が上がり続けるヴァルターのおっちゃん。
◆ベルガルドのおっさん
前作でこのキャラいる?とか言ってたら、本当に出てこなくなって笑った。
しかもED絵にだけは湧いてくる。なんだこのおっさん!?
◆ディンゴ
Ⅲで生きてそうとか思ったけど流石に死亡確定らしい。信じていいよな?
ストーリー的には既に皆その死を乗り越えていたので出てこられても・・・
◆トワ会長
レンと同様に無限に擦られるであろうキャラ。俺は好きだから歓迎するぜ。ケツが良い。
◆黒月
ガウランとかいうキャラに魅力が無さすぎる・・・
◆ExE
戦闘狂系はシャーリィとキャラ被り気味なのが心配なのだがヒャッハーとか言うので嫌いじゃない。
◇good
・システム面は順当に進化
・ハイスピードモード復活
・ロードも改善
・キャラの育成が好きな人にはやりこみ要素多め
◇bad
・ストーリーがあまりにもくだらない
・4spgやコネクトイベントなどサブが弱い
・ふふははハンハン腹括る(いつもの)
◇総評
“黎の軌跡 外伝 -CRIMSON SiN-”というべき内容。良くて “黎の軌跡 1.2”くらいだと思う。
とにかくメインストーリーの中身が非常に薄いので、はっきり言ってプレイする必要も無さそうだ。
シナリオに関してはタイムリープの要素を上手く活用してるとは全く思えないし、何を主題に持ってきたかったのかよくわからないせいで引き伸ばし感が凄いことになっており、軌跡シリーズ中で最もくだらないストーリーだと太鼓判を押せる。
シナリオやサブクエスト関連が全体的に手抜き感が凄いので今回は厳し目にクソゲー評価とした。
システム的には前作より洗練されているし、バグが酷すぎてゲームにならない、といったことはまったくない。プレイする分には普通に遊べるし、やっている最中はそれなりに楽しめている。シナリオ以外には大きな問題はないゲーム。ただ終わった後に、クソゲーでしょこれ・・・と思ったのは紛れもない事実である。
ハン、今作はクソゲーだったが、ここまで続けてきちまったからには軌跡シリーズファンとしても、JRPGファンとしても最後まで見届けるーそれが “筋” ってもんだろ。
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