唐突に発表・販売された“メトロイドプライム リマスタード” をクリア。
筆者はメトロイドシリーズはほぼ全てプレイ済。(GBのサムスリターンズは未プレイ)
実は “メトロイドプライム” がメトロイド初プレイだった。当時小学生の自分は “これスマブラのサムスのゲームだ!” と買ってみたものの、慣れないFPS、そしてゲームそのものが全体的に高難易度で一度このゲームを投げた。その後、“フュージョン” や “ゼロミッション”、“月下の夜想曲”をクリアしてメトロイドヴァニアゲーに慣れてきた後、攻略本を片手に再度挑戦した思い出がある。スマブラからサムスを知って、このゲームを攻略情報無しにクリアした小学生って当時何人くらいいたのだろうか…
プレイ時間:12時間
難易度ノーマルでプレイ。
アイスバレイ到着くらいまではかなり詳細に順序を覚えていたが、それ以降の記憶がさっぱりでちゃんと探索していた。ひとまずクリアまで。
当時はかなり難易度高く感じたのだが、今やると(昔プレイした経験があるというのもあるが)戦闘そのものの難易度はそこまで、という印象だった。ただしフェイゾンマインズは激闘。
評価:非常に良い
そもそものメトロイドプライム1が良く出来たゲーム。原作からの改悪点なども特にないと感じた。
グラが最新作レベルで上がっており、操作方法も複数追加されている。リマスターというよりリメイクに片足突っ込んでいる。
◇リマスターとしては完璧以上
Switchの最新作レベルでグラフィックが綺麗。元々GC作品の中でもグラの良い作品だったが、今作は更に綺麗になった。原作では若干解像度が低くて謎の怪物感が出ていたフラーグラやシーゴースなどもくっきり描写されており、少し可愛くなった。
そして原作ではCスティックで武装切り替えをしており視点移動には対応していなかったが、今作は右スティックで視点移動が可能となった。いつでも自由に視点操作することが可能となり、高所からの攻撃などに対応しやすくなった。原作では視点面で所々不自由に感じる事が多かったので良い変更。
◇原作の魅力
本作はサムス視点のFPA(ファースト・パーソン・アドベンチャー)。ジャンル的にはFPSと分類しても良いのだが、やはり本質的にはメトロイドヴァニア。
ゴリゴリのFPSのように多彩な種類の銃を選択したり、敵をエイムする楽しみは本作にはない。基本的にはオートエイムと言える、ロックオン状態で戦闘を行う。操作方法によってはエイム出来るが、Switchでエイムするゲームをやった経験がなく、Wiiリモコンのエイムと比べて相当難易度高く感じたので自分はやらなかった。
最近のメトロイドヴァニアのように機敏な動作をして激しいアクションで戦闘するということもない。敵の攻撃に対して能動的に取れる回避行動はサイドステップとジャンプくらい。
要するに、2023年現在基準のFPSや2Dメトロイドヴァニアと比較すると、部分部分において明確に劣るところがあるのは事実。そんな本作が今の時代でも面白いと感じられたのは、元々のメトロイドプライムという作品が唯一無二の形式を持っている作品だからだろう。
◆お前がサムス・アランになるんだよ
バイザーシステムがかなり特徴的で、最終的に4種類のバイザーを使い分けてゲームを進行していく。環境でバイザーが汚れたり、サムス自身の顔が反射して映り込んだり、かなりこだわりを感じる仕様になっている。手当たり次第に情報をスキャンして未知の惑星を冒険している感が良い。
ジャンプはサムスのフワッとした挙動を感じられるし、2Dメトロイドではただ狭い道を通るだけだったモーフボールの挙動は本当に球そのもの。
◆メトロイドヴァニアとしてのレベルは高い
流石に本家。結構な数のメトロイドヴァニアをプレイしているが、今の時代のものと比べても完成度高く感じる。マップの作り込みのレベルが高い。
新しいビームを取得した時はいきなり強さが変わるので、かなり気分が良い。特にプラズマビーム。
◆音楽も良い
世界一カッコいいメニューセレクトBGMが大好き。
◇全体的に古臭さは感じる
20年前のゲームだからか、かなり迷う。プレイ済でも迷った。3Dかつ一人称視点ということもあり、色々と見落としやすい。一応チンタラしていると次の強化要素がどこにあるかを教えてくれる機能はあるが、最終目的地点しかわからない。道なりに進めば大体なんとかなったシリーズ最新作の “メトロイドドレッド” と比較すると、かなり探索難易度が高い。
ラストステージへ向かうためのアーティファクト収集は昔の記憶(攻略本を持っていた)を引っ張り出してきてなんとか、というレベル。アイスバレイのアーティファクトがわかりにくすぎる! “エルダー” のアーティファクトを攻略情報無しで取れた人すごいと思う。このゲーム、スキャンしまくれば基本なんとかなるのだが、それ故にスキャンバイザーが機能しない仕掛けをひっそりと忍ばせられるだけで全然わからなくなる。
近年の作品だと未回収アイテムがあるエリアはマップ上で表示されたりしていたのだが、今作にはそんなものはない。アイテム全回収も自力だと厳しいと思う。死亡するとセーブポイントまで巻き戻しになり、それまでの間の強化要素なども取り直し。近年の作品と比較すると不親切というか、古臭さを感じる点があるのは事実。
あと敵からの補給がかなり渋く、ミサイルやパワーボムが無くなると補充が全然できない。複数の雑魚との乱戦になると敵の攻撃を意識的に避けるのが難しく、割りとHP量でゴリ押していく感じのゲームになる。セーブポイントもそこまで多くない。
◇good
・グラが良すぎる、リマスターとして完璧
・唯一無二のゲームデザイン
◇bad
・(今の時代にやると不親切に感じる部分はある)
・(全体的な探索難易度は高め)
◇総評
映像がちょっと綺麗になっているというレベルを超えている。操作方法が複数選択可能になっているなど追加点もあり、リマスターというよりリメイクに近い。
流石に20年前のゲームということもあり、現代基準のゲームと比較すると設計が不親切、古臭く感じるところがあるのは事実。FPSとしても、アクションとしても要素要素で切り取ると見劣りする点があるのも事実。
しかし本作はサムス一人称視点のメトロイドヴァニアという唯一無二の形式がある。バイザーの作り込みを始めとして全体的にリアリティを意識した作品となっている。作り込みは今も色褪せないし、純粋なメトロイドヴァニアとしても完成度が高い。“メトロイドプライム” でしか味わえない楽しさがある。雰囲気ゲーとしてはかなり極まっている作品だと思う。20年前のゲームのリマスターに4000円は安くはないのだが、原作未プレイの人には新作みたいなものなので、硬派な作品がプレイしたい方には是非。
フェイゾンスーツがクソカッコいいっす。男は黒に染まれ。
◇次回作
この調子だと恐らく“プライム4”は次世代機になるんじゃないかなあ、と予想しているのだが繋ぎとして過去作のリマスターを本作と同等レベルで出してくれるだけでかなり楽しめそう。ただ“プライム2”は色々とシビアな所があったので、多少調整入れてくれないかなあという気持ちはある。
サムスリターンズリメイクからメトロイドシリーズは相当良い流れで来ているので今後も楽しみ。
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