“涼宮ハルヒの直観” 感想

9年半ぶりの新刊。
いやまさか、本当に新刊が出るとは・・・

評価:とても良い

■思い出話(食べログのレビュー前の語りみたいなやつ)
前回の“驚愕”ですら延期になってから4年くらい待ったよなたしか。
高校入学前に“分裂”が出て、続きが読めたのは俺が卒業してからだった。

思えば、俺が最初に買ったラノベはハルヒだった。
中1の時だったか。
小学生の頃に“プロアクションリプレイ”でデータ弄ったりして遊んでいたのだが、そのためには改造コードが必要だ。改造コードが載っている本といえば、“ゲームラボ”である。ゲームラボには巻末に改造コードが載っているのだが、他は雑多なコラムで構成された本で、それが結構面白かった。最初は何かのゲームの改造コードのために買ったのだが、内容がなかなか面白くて読むために買うようになった。
で、コラムの中の1つに “涼宮ハルヒの憂鬱”が今アツい! みたいなこと書いてたのを思い出して、本屋に行った時に買った。
思いっきり女の子が表紙にデカデカと載ってる本を購入するのは、最初は何だか気恥ずかしかった、かもしれない。
なんせついこの間までコロコロコミックを買っていたのだ。それが女の子が表紙の小説とは。
とは言っても性的知識なんか中1になった直後は0であり、男子校で周りに女子が存在しなかったため、実はそうでもなかった可能性もある。

そして、最初に全シリーズを揃えた本もハルヒだった。
今や幼稚園児でも鬼滅の刃を知っているだろうに、俺は中学生になるまでまともにジャンプを見たこともなかったし、シリーズ物の漫画を買うことはなかった。
俺にとって本とは、親と本屋に寄った際に本買うからなんか1冊買ってやるよ、といった際に、その時の気分で1冊選ぶ物であり、自分が能動的に1シリーズを揃えるものではなかった。
だから実家には、その当時の俺が選んだ、1冊しかないコミックスの単行本がたくさんあった。
唯一それなりに揃っていたものはコロコロで連載していた“星のカービィ”くらいか。
遊戯王カードはかなりやっていたが、漫画で持っていたのは迷宮兄弟と戦う巻だけだ。
デビチルは刹那の腕が吹っ飛ぶ巻だけ持ってた。記憶が確かなら空手の大会に行った際に買ってもらった物だ。
デュエマも“真の決闘者”のためのカード、とか言って、ギャザの漫画だったのに、いきなりDMカードが登場して白皇と戦う巻だけ持ってたな。
自分で使える金がないわけではなかったし、むしろ同年代よりも使っていたはずだ。しかし、漫画やゲームは親に良い顔をされなかった。漫画は1冊1冊がそれなりのサイズがあるので、何冊も購入しているとバレる。それに比べてゲームは良い。GBAのカセットなんかは引き出しに何個も収めることが出来る。ならば、漫画よりもゲームを買う。そういう人間だった。

そんな俺が中学生、寮生活となり親の束縛からある程度逃れられるようになって、初めてシリーズを揃えた本がハルヒだった。
何故シリーズを揃えたのか?それはもう、単純に面白かったからとしか言いようがない。
鬼滅の刃で初めて漫画やアニメに触れた人が鬼滅の刃最高!となるのと同じ様に、やはり初めての作品というのは面白く感じるのだろうか。そういう補正を抜きにしても、よく出来た作品だなと感じる。

ただ、実はアニメ1期はそんなに好きじゃなかった。アニメの絵と原作の絵が少し乖離しているような気がして、あまり見るモチベが湧かなかった。見始めたら結局面白くて全部見ちゃったんだけどさ。
アニメ化してないエピソードあるんだし続き作ってくんないかな~~~~~

■感想
あてずっぽナンバーズ、七不思議オーバータイム、鶴屋さんの挑戦、の3本立て。

・あてずっぽナンバーズ
みんなで初詣にいく。それだけ。めちゃくちゃ短い、ほんとに短編。
キョンとハルヒのラブコメっぽい感じ。ほんわかした。

・七不思議オーバータイム
皆で学校の七不思議を考える。めちゃくちゃしょーもなくて好き。
これはザスニLegendに連載されてたやつなので既読だったけど、それでも面白い。

・鶴屋さんの挑戦
ミステリ系。名前の下りは、医者に近い医学部生ですがまったくわかりませんでした。

全体的に、いつものハルヒだ。ほぼ10年ぶりとは思えないくらいにハルヒだ。
しかし、この間の雪山の話は・・・、みたいな下りが何度か出てくる。キョン達にとってはそれはもうついこの間のことなのだろうが、僕にとっては人生のちょうど2分の1前くらいに遡るのだ。
“所謂一つの萌え要素” なる発言も作中にあるが、“萌え”という言葉を本当に10年ぶりくらいに聞いた気がする。ハルヒ達の時間は未だ高2で止まっているが、その間も僕は歳を重ね続けている。わかりきっていることではあるが、少し寂しさを感じずにはいられない。

ハルヒを購入した当初、ラノベコーナーは本屋のほんの1コーナーに過ぎなかったのに、今や随分大きくなったな、と感じる。その過程で僕も結構な数のラノベを読んできた。しかしやはり、中でも格別の面白さがこの作品にはある。

最後の方でちょこっとだけ次作の匂わせみたいのがありましたが、次に読めるのはいつだろう。3ヶ月に1冊出せとは言わないが、10年に1冊じゃあ、さすがに長いな。3年に1冊くらいは読みたいものだ。
あと、“学校を出よう!” の方も、続き・・・なんとかなりませんかね?

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