インティ・クリエイツ製作の “白き鋼鉄のX2”をクリア。
本作は “蒼き雷霆ガンヴォルト” シリーズのスピンオフ、の続編。キャッチコピーは“2Dアクションの極限、ブレイク” 。
筆者はシリーズ全作品プレイ済み。
プレイ時間:17時間
ストーリーをクリアするだけならば1周2時間~3時間もあれば終わる。
ハードモードクリアするのに12時間くらい使いました。
評価:良い
アクションとしては高品質だが、前作までとかなり仕様が変わっており、ストレスを感じる部分も多い。以前の方が面白かったと感じた。
ストーリー:異世界から帰還しよう
■ストーリーは薄め
異世界に転移してしまい、帰る手立てを探す…と、転移する世界を変えて何十回でもこすれそうな話。
“白き鋼鉄のX” シリーズでは “ガンヴォルト” のウリであったライブノベルシステムがオミットされており、ストーリーは基本的に薄めの純粋なアクションゲーム寄りになっている。
前作は “バタフライエフェクト” そしてラスボスの正体、鋼鉄のX とは…あたりのポイントが中々衝撃的であったが、本作はそういった点もあまりなく、ストーリーはあくまでフレーバー程度。一応ラストに仕込んではいるのだが、このゲームのストーリーは前作でやりたいことを全てやってしまった感があり、前作と比べるとフーン、くらいの感じ方になってしまった。
■音速(おそ)くなったアキュラ君
本作は続編、それも前作からあまり時間をおかずに発売されている。しかし実際にプレイすると前作とはまったく異なるゲーム性となっていた。
まず通常攻撃が近接攻撃になっており、3段攻撃まで可能に。何もしていない際はほとんどのダメージを無効化していたカゲロウはオミット。アンインストールしたらしい。代わりに相棒のRoRoにヒーリングモードが追加。いつでも・どこでも・何度でもHPの全回復が可能となっており、スコア稼ぎを狙わないのであれば落下死以外では基本的に死なない仕様になっている。
そして本作で一番の変化点がアキュラの最大の特徴であったブリッツダッシュの変更。残弾性は削除され、基本的に空中にいる間は一度しか使えなくなった。クードスを1000稼げばオーバードライブに入りブリッツシフト、つまりゲージの続く限りはブリッツダッシュ可能、何かを蹴ると回復する以前の仕様に近いものに強化され光速(はや)くなる。
■難易度はやや高め
前作までをプレイしていた人間ほど、ゲーム感の違いに戸惑い苦戦するのではないだろうか。自分は終盤まであまり慣れなかった。
また、本作は無限ヒールが可能な影響かわからないが、敵の攻撃が妙に痛かったり、嫌らしい動き・配置のモブが多かったり、ボスが全体的に強かったりと、基本的な難易度が結構高めに感じる。しかし無限ヒーリングにより初見でも問題なくクリアは可能。そのせいで後々苦労するのだが…
■アクションゲームとしての品質は高い
2Dアクションを何度も作ってきているだけあり、ゲーム自体の品質は今まで同様に高い。
■真ENDを見るためにはハードモードクリアが必要
ガンヴォルトシリーズは被弾に関してある程度救済措置(無敵や復活)があるのでアクションゲーム不慣れな人間でもストーリーを楽しめるのが特徴だと思っているが、今作はストーリーにハードモードを絡めてしまっているのでアクション苦手な人間が充分に楽しむことが出来ない可能性がある。
■ハードモードの難易度、ブレイク
どうも難易度ノーマルでは本作のヒロインのヌルは救われないようなのでハードモードをプレイ。
1周してようやく前作との違いに慣れつつあるプレイヤーを襲うのは最初のボス、イプシロン。
無敵タックルタックルタックルタックル・・・
滅茶苦茶負けました。
ハードモードの特徴だが…レベルアップ不可、被弾でクードス0、ヒーリング不可、ショップ購入不可、残機制、ボスの行動強化。当然ながら復活もなし。
インティ・クリエイツ…刻むだろ!普通もっと・・・!段階をっ・・・!
特に残機制って何だよ・・・!ロックマンゼロか・・・?
強化されたボスと戦うの自体はやり応えがあるが、3回死ぬたびにやる意味の無いステージを走らされるのきっつい。
ロックマンゼロシリーズでアベレージ100点プレイなど、アクションゲームの経験自体はそこそこあるはずだったのだが相当苦労した。
■アクションの変更点が好きじゃない
メイン武器のブレイクホイールだが、キャッチコピーのフレーズを名前に背負っている癖に、はっきり言ってほぼ使えない。
ロックオン中は通常攻撃が使用不可だし、全体的な振りも遅く、ボス戦でメイン火力とするにはあまりにも貧弱。ゼロセイバーとは比較にならない弱さに感じる。
ダッシュ攻撃で雑魚すら死なない…
ロックオン中に通常発動出来るくらいはして欲しい。
リコイルダッシュも操作していて邪魔になることが多かった。ぶつかったらロックオンして欲しい。
クードスを稼いだら前作までの使用感に近くなるが、結局オーバードライブするまでは連続撃破するのがほぼ不可能で稼ぐことが難しい。ODまでの道中の得点稼ぎのほとんどをボーナスパネルに頼ることになる。
EXウェポンは全体的に微妙というか、前作のオービタルエッジのような爽快感のある武器がない気がする。
オプティックラウンドが一番使いやすく感じた。ボス戦ではラウンドリッパーも良い。
■ボス感想
・デイサイト
一番武人っぽいのに、一番弱い。
EX技撃つと疲れるお爺ちゃん。EX技の避け方わかりません。
・ヴェスパ
可愛い。そんなに強くない。
・オートクロム
穴が本体。全体的に避けにくい攻撃が多く、強敵。
・ブリガド
2回目がわかっていても対応しにくくて強い。
・ヘイル
行動自体はシンプルだが凍結するせいで一度でも被弾すると火力がヤバい。EX技もわかっていても避けにくい。
・スラグ
クソ強い。正直未だによくわかってないところがある。分身時は回避に専念するほうが良い。
・ヴェスクロム
2体フェーズ。単純にHPバーを2倍削るのがしんどい。最後の死に方はカブト&クワガタを彷彿とさせる。
めちゃかっこいいけどEX技は簡単。
・イプシロン
1回目が一番強い。盾タックルが強すぎる。
・マザー
1回目は弱い。
2回目も難しくないけど、長期戦になりがちでキツい。本体殴るところに誘導弾置いているの悪意しか感じない。
使用技が前作のEX装備なのはちょっとエモい。
◇good
・変わらず良いグラフィック・音楽
・良質なアクション
・120fps対応
◇bad
・前作からのアクションの変化点が微妙
・ストーリーを完全に楽しむにはハードモード必須(だがいきなり難しくなりすぎる)
・ハードモードの残機制が滅茶苦茶しょーもない
・何故か前作より1000円高い
■総評
多分 “ガンヴォルト ギプス” までの繋ぎとして制作されたであろう本作。
前作からのアクション変更点が賛否両論分かれそうな仕様。おそらく今までと同様に最強のブリッツダッシュで飛び回るゲームを期待していた人間が多いのではないだろうか。自分はそうだった。
アクションゲームとしては間違いなく高品質だが、仕様面で色々と細かい文句を言いたくなる。
色々文句を言いつつも楽しめたのは間違いない。
今年夏にはガンヴォルトが発売予定らしいので楽しみに待つ。そろそろGVには幸せになってもらいたい。
“ガンヴォルト” シリーズ未プレイの人はこちらから。非常に面白いゲームです。定価でも買う価値あり。
本作の挿入歌についてはこれが一番好き。
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